「影響を受けたアーティストは?」

最近、「影響を受けたアーティストは?」と聞かれることが増えてきた。
私はこの質問をされるたびに、結構困ってしまう。

個人的に聞かれることも多いが、インタビューやラジオなんかで聞いていただく機会も多い。

メディア媒体で、
「うーんなんだろ!わかりません!!」
なんてオチのつかないアホな回答をするわけにはいかない。

音楽性が好きなのはコトリンゴや原田郁子、Predawnなんですけど、歌い方はコートニー・ラブとかジャニス・ジョプリンとか、ビョークが好きです!
初めてライブを観に行ったアーティストは中村佳穂さんです!
多弦ギターは山田庵巳さんで知りました!

….と答えることが、最近は多い。
考えに考えて出した答えだが、結局のところどないやねん、という感じである。


わたしが今、自分でやっているような音楽に直接つながるような音楽体験が始まったのは、おそらく大学二回生の夏からである。
鴨川の河川敷で、同世代の友人たちに、ギターの弾き方と、カネコアヤノを教えてもらった。

それまでは、クラシック音楽と、ボカロと、一年だけ入っていた高校の軽音で聴き齧ったほんのちょっとの邦ロックくらいしか、自分の音楽のレパートリーになかった。

コトリンゴや原田郁子の音楽には6歳くらいで出会っていたが、自分の好きなものにあまり自信が持てなかったことも影響してか、そこから他の音楽を聴いたりすることはなかった。
大学二回の夏に音楽の話ができる友達ができてからそれらの音楽と再会したが、音楽の「ディグり方」がわかってきたのはつい最近のことである。

こんな調子で、サブカルチャーや特定の音楽文化にとっぷり浸かるような経験がほとんどないまま、ふわふわとここまで来てしまった。

強いて言えば稽古事でやっていたクラシック音楽が一番歴は長い。
ブランクは4年ほどあるが、3歳から22歳までずっとクラシックをやっていた。


ここまで書いて気づいたのですが、
私が影響受けてるのってもしかしてクラシック音楽ですか??

ギターの演奏なのにピアノっぽいよね、と言われることが結構多い。
なんの影響でこうなったのか、自分でもいまいちよく理解できていなかったが、クラシックを長年やっていた経験はかなり大きいのかもしれない。

もうピアノはほとんど弾けなくなってしまいましたが、ドビュッシーの音楽が一番好きでした。
ほほほ、今回のテーマがいきなり解決してしまいました!


とはいえ、今自分がやっている音楽は邦楽の歌モノであり、クラシック音楽からはかけ離れている。
自分の作る音楽にクラシックの影響は少なからずあったとしても、地盤にクラシックの要素が入っているだけで、クラシックのエッセンスを自分の音楽に反映させたろうという意図はない。

制作を進める時にリファレンスになるような音源を探してみることもあるが、上手くいったことがまだない。

特に他の人と制作をすすめていると、共通認識を一致させるために自分のアイデアに対するリファレンス音源なんかを資料として送りあったりすることがあるが、他の作品からインスピレーションを受けて制作するような筋肉がいまいち発達していないので、まだあまりうまく乗りこなせない。


現代のアーティストの作品に、影響を受けた過去の時代や音楽への深いリスペクトが垣間見えると、好きなことに対する造詣の深さに驚く。
過去のエッセンスと現代のセンスが織り交ぜられて新しいものが出来上がっていく様は、匠の技が受け継がれていくようでかっこいい。

4年前、自分で音楽を作り始めて、これじゃいかん!とあわてて色んな音楽を聴き漁るようになったが、自分の知識不足や技術不足、どこにもハマりきれないことなどへのコンプレックスは拭えない。

7弦ギターを使い始めたのも、コードの知識がなく6弦のギターで好きな和音が出せないもどかしさと、ピアノが上手く弾けないというコンプレックスからだった。

ギターはパッと弾けるけど、好きな音が出せない。
ピアノは好きな音が出せるけど、パッと弾けない。

それなら手っ取り早くギターの弦を一本増やして音域を無理やり拡張させたろう!
という算段で、7弦ギターを使い始めた。
いらちな性格が功を奏した数少ない成功体験の例である。


とは言いつつ、特に7弦にこだわりがあるわけではない。
6弦で弾けた方が色々都合がいいし、ピアノで曲が書けるならそれに越したことはない。

演奏形態にも特にこだわりはない。
一人でいつでも好きな時に音楽を成立させられる、自分にとって一番手っ取り早い方法が弾き語りだったから、それを続けているだけである。


影響を受けた音楽はなんですか?と聞かれると、今まで出会ったもの全部かなぁ、とぼやぼやしたことしか言えない。
今やっている音楽が音数の少ない弾き語りなので、余計にそうなのかもしれない。

最近他のアーティストと一緒に音楽を作る機会にいくつか恵まれたからか、制作に対してちょっと欲が出てきた。
他のジャンルのアーティストとの共同制作や、バンドでの楽曲制作を始めている。

これが吉と出るか凶とでるか、やったことがないのでまだなにもわからない。
自分のことがそもそもあんまりわかっていない。
わからんことだらけである。

p.s.
先日、最近好きで聴いている音楽をプレイリストにまとめました。
AppleMusicのプレイリストだけで恐縮ですが、せっかくなので共有します。